みなそこすなどけい2

水底砂時計ni

今月はもう本は買わない

 もしかすると、ほむらさんは私の耳の角度だけが好き、と思われたのか。

 誤解だ。

 コップに水を注ぐときのことを考えて欲しい。

 全体に充ちているからこそ、或る一点から溢れるのである。

 その一点がどこかってことが問題なんじゃなくて、好きという気持ちは全体に充ちているのだ。

 耳の角度じゃなくて君が好きなんだ。

 (穂村弘『もしもし、運命の人ですか。』メディアファクトリー、p.172)

あーあ。「今月はもう本は買わない」と心に誓ったはずなのに!

ブックオフで上の本をみつけてついつい。でも面白いので買って損はなかった。

かなりへなちょこでとほほなエッセイだけど、けっこう肯けてしまう。

そうそう、つい先日平等院に行ってきました。

鳳凰堂を見ての感想は「10円玉だ!」っていうのと、すごく均整のとれたプロポーションだなあ、っていうのと。

後者は建物を形容する仕方としてどうなのか…

そして、雲中供養菩薩がいっぱいいて楽しかった!!みんななんだかやる気のない表情でそれがまた良いよ。

寒かった。宇治川を見た。やっぱり川が好きだ。

ちょうど一年くらい前は桂川を見た。やっぱり寒かった。

そう言えばどちらにも水鳥がいた。

一年前と今と、自分は変わっているのかなあ、と思う。

相変わらずだめな部分はだめだけれど、だめな部分との付き合い方にはすこしばかり慣れた。

かもしれない。

来月の半ばには楽団の春合宿でハチ高原スキー場にこもって来ます。

雪遊びと、夜中に雪の上を歩くのと、星を見るのが目下の楽しみであります。

そう言えば、去年の春合宿のコンパが最初だったかなぁ、一口目にしてお酒をおいしいと感じたのは。

テンションが上がるのとは無関係に、なんかちょっといい感じだったのは。

なんだか、あのときの梅酒はこれからも特別な気がする。なんとなく。