みなそこすなどけい2

水底砂時計ni

2018-01-01から1年間の記事一覧

「今日」のこと ――仲田有里さんの歌について(1)

OLが一人一本傘差して祭りも昨日終わって今日は 仲田有里『マヨネーズ』 交差点をみおろしているような画を想像する。信号が変わって、ぱらぱらと渡り始める数人の女の人。「祭り」はお神輿や屋台の出るようなのじゃなくて、彼女らをながめる〈私〉にとっ…

リズと青い鳥、または、渡り廊下は飛び立つために

だいぶ日が空いてしまったけど、映画『リズと青い鳥』の感想メモです。すごい映画で、一年分の集中力を2時間に注ぎ込んでしまった。 冒頭の朝のシーンの足音。リズの足下の花、教室の地べたに座るフルートの下級生と椅子に座る希美たち先輩、音楽室の床にみ…

桃の缶詰は雨上がりの午後に

加筆修正して本にまとめたのでいったんひこうかいにします。

歌の声、「私」の地平

『島田修二歌集』(国文社)をひさしぶりに開いた。たとえば次のような歌に、あらためて心を動かされる。 もの書きて畢るにあらぬこれの世の浄福に似てとほき夕映『冬音』 雨降れば甕にしづけく水溜るこの確かさに生きたきものを『渚の日日』 一首目、「あら…

土と氷のあいだのにおいと銀の靴

――私は北の善き魔女(グリンダ・ザ・グッド)*1親切なともだちの蜘蛛(シャーロット)ライ麦畑のみはり番 そういうものになりたかった ただ きらきらときれいなものだけを 差し出せるような やさしいだけの存在に でも (鳥野しの『オハナホロホロ』祥伝社、2012…

2017年末から2018年初の日記

2017年12月29日(金)晴れ→途中は雨、琵琶湖のむこうは靄→くもりはれ 7時に目が覚めてごみ出し、雪かき、そうじ、荷づくりを怒涛のいきおいでこなす。朝はたまごかけごはん、昼はおにぎりとみそしる。りんごとゆずも。 サンダーバードで眠る。イヤフォンで吹…

短歌日記(2013.11.29)

2013年11月29日(金) 夕方のニュースの受け売りなんだけど、この冬一番の寒さらしい。(ほんとうはなにもかも受け売りなんだけど。)さもありなん、さも、さ、さむい。 2限の演習のあと、S先生の部屋まで付いて行って先行研究の論文をお借りする。S先生…