みなそこすなどけい2

水底砂時計ni

2017-01-01から1年間の記事一覧

For You(短歌15首)

For You 「へこたれていじけた子になっちゃだめよ」(志村貴子『放浪息子』) ぼくの夢は夢を言いよどまないこと窓いっぱいにマニキュアを塗る 逃げきった鳥が青だよ 周到に荊を踏んでちかづくまでだ 通学は放浪だからどうしてもパフスリーブのあの服が要る …

2017.11.10超歌手大森靖子MUTEKI弾き語りツアー@金沢21世紀美術館シアター21

11月10日の超歌手大森靖子MUTEKI弾き語りツアー@金沢21世紀美術館にいってきました。めちゃくちゃ楽しかった! 尊い……無理……みたいな感じじゃなく、近くてくつろげて楽しくて、でもゆさぶられてふるわされて、とにかく良い夜でした。忘れないようにそのとき…

夢のなかのミサンガ、または地の底のハーゲンダッツ・ヴェンダー

夜の話をしよう。 京都は宇宙一寒い。これは真理だ。そんな極寒の地の底にこの三月まで八年も住んでいたくせに、慣れるどころかいよいよ寒さに弱いこのごろである。新緑の季節になってもヒートテックを履いていたし、衣替えはまるまるひと月遅れる始末。彼の…

『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』感想メモ

劇場版『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』をみたときの感想メモが発掘されたので置いておきます。メモなのでこのあとちゃんと文章にしようと考えていた気がするのですが、DVD借りてきて観てからもう一年くらい経ってしまったのと、(あ、思ったよりい…

Sweet Blue Flowers(短歌7首)

Sweet Blue Flowers あの坂をおりたなら海 いつか君が花降らすように泣いていた海 あくまでも大人は遠く甃はだしのゆびで撫でているだけ *ルビ:甃=いしだたみ 嵐の丘に音を失くしていつだって春の気配のなか生きてきた 愛よりもおろかな深い井戸を汲み羽根…

顔に帯状疱疹が出て死線をさまよった日記

備忘録てきにというかみんなもこんなつらい目にあったら帯状疱疹ていうのがあることを覚えておいてね的な日記です。 3連休まえの金曜日、朝起きた瞬間になにやら耳が痛い。3分ごとくらいにズキッとピリッとキリキリを足したみたいな痛みが耳たぶに走る。そ…

下書きに残っていた四月の書きかけ日記

お風呂のお湯を沸かす用の灯油タンクが空になり、タンクの蓋が固くてどうしてもあかないので銭湯に4日間通った。平日なのに旅先みたいな気分になった。髪が濡れたまま誰もいない路地を歩く夜が春だった。裸眼でみる街灯のひかりがぼやけていて、変なの、へ…

何もなかったように、みたいに

忘れた、といつか答えて笑うだろうこの夕暮れの首のにおいも/笠木拓「何もなかったように」『京大短歌23号』 6月の誕生日のときに書こうと思っていた日記を今さら書きますね。 * 誕生日は月末の月曜日で、前の週の金曜日は仕事が終わってから市立図書館に…

かたみぞと

かたみぞと風なつかしむ小扇のかなめあやふくなりにけるかな /与謝野晶子『みだれ髪』 夕方になって外へ出る。最寄り駅に置いたままの自転車を取りに行く。 言葉がねむい、からだが覚束ない。夜ごとの夢がぬかるむ。 夜じゃないから見えなくなくて、だから…

kindle paperwhiteを買いました

じぶんへの誕生日プレゼントにKindle Paperwhite 32GB マンガモデル(キャンペーン情報なし、ブラック)を買いました。 枕元BOXなんですけど新しくお迎えしたkindle paperwhiteちゃん(右から3人目)がめちゃ薄くて軽くてえらい。 ashcoさん(@ashco_62)がシェ…

人質だったのは誰か  ――アニメ「STEINS;GATE」感想メモ

シュタインズゲート(アニメ)を一気にみてしまったので、考えたこととかをすこしメモしておきます。 ・まゆしぃは自身のことを岡部の人質だと言う。それは正しくて、けれど逆はもっと正しい。岡部こそがまゆりの人質だった。 ネタバレも含むので〈続きを読…

2017.04.23

ファミレスで和食を食べるのがけっこう好きで、なぜかというと選択肢の多さを有効活用している気になれるから、あとなんとか御膳とかちょっとリッチな気持ちになるからだと思う。だけど今日はハンバーグの気持ちだったのでハンバーグを食べた。セットのスー…

2016年末に奈良を旅した日記2

(承前) 旅先にしてはいつもよりぐずぐずにくたびれてないな、と油断していたらなかなか寝つけなかった。もう明け方かな、と思って時計を見たらまだ夜中で、そのまましばらく昼間に買ったばかりの歌集を読んでいた。少しだけ眠って、まどろみを振り切って外…

2016年末に奈良を旅した日記1

絵巻物右から左へ見てゆけばあるとき烏帽子の人らが泣けり /中津昌子『風を残せり』 2016年の終わりに奈良へ行ってきました。 12月30日、新幹線とサンダーバードを乗り継いで西へ。電車の中ではうとうとしたり「三人姉妹」を読んだりしていて、山科あたりで…